米国スポーツ医学会の「Medicine and Science in Sports and Exercise」に、外因性ケトーシスによって高強度トレーニング後の睡眠の質が向上するという論文が発表されたようです。
まぁ不眠症で悩んでいる人は、そもそも高強度トレーニングをしないと思いますが、僕は一時期、もう少し体力に余裕がある際はHIIT「High Intensity Interval Training(高強度インターバルトレーニング)」をしていました。体感としては、疲れて寝付きはよかったような気がします。
ですが、この記事で言っているのは本当にアスリートレベルの話ですね。高強度トレーニングをした後は睡眠の質が悪くとのこと。
アスリートは、試合前や集中的なトレーニングを行った夜などに、中途覚醒の増加やレム睡眠の減少などの睡眠障害を起こしやすい。アスリートの睡眠障害はトレーニングからの回復の妨げとなり、翌日のパフォーマンスの低下および怪我または疾患の発症リスクの上昇につながる可能性がある。ただし睡眠障害に対して薬物を用いた場合、副作用や依存の懸念がある。
一方、近年、血中ケトン体レベルが睡眠の質と関連しているとする研究結果が報告されている。そこでこの論文の著者らは、外因性にケトン体レベルを高めることの睡眠の質への影響の有無を検討した。
https://sndj-web.jp/news/002373.php
ここで気になるのが、血中ケトン体レベルが睡眠の質と関係しているということです。ケトン体レベルというのが初めて聞く単語なので、調べてみました。
ケトン体は脳の非常用エネルギー
脳は通常グルコースからしかエネルギーを得られないことはよく知られていますが、グルコースを得られない場合(糖代謝異常である糖尿病や飢餓状態のとき)には、グルコースではなくケトン体という別の物質を代替エネルギー源として利用します。
http://serotec-labo.com/?page_id=1113
ケトン体は肝臓でアセチルCoAという物質から変換して作られます。通常アセチルCoAは、糖を代謝する過程と脂肪酸を代謝する過程(β酸化)、アミノ酸の代謝によって生成され、クエン酸(TCA)回路においてエネルギー(ATP)を産生します。糖尿病や飢餓状態で糖が不足しているときには、クエン酸(TCA)回路でアセチルCoAを利用できずエネルギーが不足し、さらに糖代謝過程で産生されるアセチルCoA量が減少するためβ酸化が亢進します。このとき生成されるアセチルCoAをケトン体に変換し、代替エネルギーとして利用します。
上記サイトがわかりやすかったですね。脳の非常用エネルギーとのこと。ですが、血中に過剰に存在するとケトアシドーシスを引き起こすとのことです。糖尿病ケトアシドーシスとは、糖尿病急性合併症である「糖尿病昏睡」のひとつとのこと。
別の論文で、ケトン体エステルとすることで、食品添加物として摂取可能になると書かれていました。でも、Wikipedia先生によると、日本ではまだ認められていないんだとか。難しいですね。
低糖質・高脂肪食の長期摂取によってケトン体の生成および利用を高めるような適応が得られる一方で,ケトン体そのものを摂取することの効果に関する研究も行われている。ケトン体は,そのままでは酸性であるため,エステル体を結合し,ケトン体エステルとすることで,
https://www.jstage.jst.go.jp/article/oleoscience/18/8/18_367/_pdf
食品添加物として摂取可能になる
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